Amazon Primeで公開されていた、映画「記憶にございません」。
三谷幸喜監督のこの映画は、支持率最低を記録していたどうしようもない日本の総理がある日記憶をなくし、良き首相となるべく生まれ変わるというものです。
ジャンルとしては完全にコメディです。
今回は、そんな映画「記憶にございません」と観て感じたことや考察をお伝えしたいと思います。なお、本記事には映画のネタバレを含みますのでご注意ください。
記憶が消し飛んだ総理
史上最悪のダメ総理
中井貴一演じる黒田総理は、史上最低の支持率を叩き出しているトンデモ総理。パワハラ、セクハラなんでもありで、国民から嫌われ者になっていました。
そんな総理でしたが、ある日演説中に市民から頭に石をぶつけられたことで記憶を無くしてしまいます。自分が総理大臣であったことさえも忘れてしまい、出歩けば忌み嫌われる始末。
「自分がそんなひどい総理だったとは!」と思い知らされますが、これを機に生まれ変わることを決心したのでした。
皮肉のきいた演出
意外に見る機会の無い総理の身の回りといいますが、どのようにして一国のトップは支えられているのかが、コメディチックではありますがわかります。
特にディーン・フジオカ演じる井坂秘書官は、実際にこんな秘書官がいたら憧れるなぁと思うくらいの仕事の手際よさ。
面白かったのは、映画の節々に登場してくる人物が、実際の大臣達にちょ~っと似ているのです。むしろ、寄せに行っている感がします。
半ズボンのスーツを着ている人もいるし。そんなスーツ本当に売っているのかな?笑
愛される首相へ

出典:映画.com (C)2019 フジテレビ/東宝
生まれ変わった総理はとにかく何をするにも好印象。これまでの悪態を記者会見で謝罪し記者をざわつかせるほど。
実際の総理大臣がこのように振舞えば印象は良くなるんだろうなとは思います。しかし、総理の裏方の姿というのはあまり見えないのが残念です。
新型コロナウイルスの蔓延を受けて、緊急事態宣言が出されたかどうかの時期に、星野原さんがYouTubeにアップしたコラボ音楽動画がありました。
その時安倍元総理も、家で自らの愛猫を愛でる動画でコラボしていましたが、これでもかと思うほどの国民からのブーイング。
トランプ大統領とゴルフをいった際には、バンカーに転げ落ちるシーンがTwittterに拡散されて、何とも恥ずかしい姿を広められたこともありました。
映画のように国民が素直に反応してくれれば良いのですが、実際の世界は厳しいもんですね。
映画の感想
三谷幸喜監督の映画は、お恥ずかしながらこれが初めてです。
閣僚が集まるシーンであまりのおふざけ人物達に圧倒されましたが、終始笑いのペースは変わらず、時にシリアスな場面もあり大変楽しめました。
この映画が製作された時代の総理であった安倍総理や麻生財務大臣は、一体どんな顔をしてこの映画を観るのだろうと想像すると笑ってしまいます。
アメリカ大統領が来日して外交するシーンがありますが、まさかの大統領がゴリゴリの日本人(設定は日系女性大統領)。もう細かな設定はほっとけ!と言わんばかりの潔さがGoodでした。
まとめ
コメディ系の監督でいえば、ドラマ「勇者ヨシヒコ」などを手掛けた福田監督がいますが、笑いの種類が似ているようで異なります。
コメディ好きな人にはぜひ一度は観ていただきたい、そんな映画です。
以上、TakaViewでした。